小浜温泉、雲仙温泉

2014.05.25

 5月初めは、緑が最も美しい季節である。俳句にも「目に青葉 山ホトトギス 初ガツオ」とある。長崎県の今年の連休のお天気は、上々とまでは言えないまでも、まずまずといったところであった。この休みを利用して、妻と二人で小浜温泉へ行き、ゆっくりしてきた。

 小浜温泉と言っても、県外の人は知らない方も多いかもしれないが、島原半島の西海岸、橘湾に面した温泉で、バスを降りると、バラク・オバマ大統領がにこやかに迎えてくれる。温泉以外に、入り日の美しさでも有名である。長崎市のあたりから南西に延びている長崎半島を沖合にのぞむことができ、ここに日が沈む。温泉でゆっくりした後、次第に赤く染まって行く空、夕日を愛でながらの食事は、至福のときである。カツオだけでなく、多くの海の幸、雲仙豚等に舌鼓を打ち、「生きていて良かった、健康な体に感謝」と感ずることができる。

 普賢岳の麓にある雲仙温泉まで、バスで30分足らずである。普賢岳への登山口である仁田峠までは、さらにここから車で20分程度。こういう所へ行くのに、公共交通機関だけの利用では、なかなか不便である。しかし、妻は私が運転するレンタカーでは絶対一緒に行かない。5年間ほとんどハンドルを握っていないので、これは致し方ない。「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く?」という気分でゆったりとした時間を過ごしてきた。お天気がイマイチなのと、時間の制限で普賢岳へ登ることはできなかったが、モクモクと立ち上る水蒸気の中を溶岩の上につくられた散歩道を散策してきた。亜硫酸ガスの臭いはほとんどない。溶岩で覆われた大地にも少しずつ植物が根付いている。1961年の噴火から約53年の時が流れているが、生きている地球のタイムスケールからすればほんのひとときかもしれない。植物の逞しさに感心するばかりである。

 空気中の炭酸ガスから、太陽の恵みを得て全ての生き物の「生」を支える糖分を合成し、それを求める他の全ての生命に、嫌な顔一つせず(かどうか判らないが)提供し続ける植物がこれ程の強さを備えていなければ、地球上(海の中も含めて)の生命の繁栄はあり得なかったのだろう。

溶岩台地に根付く植物
溶岩台地に根付く植物

 

新緑と普賢岳 地から湧く水蒸気に中の散歩道
新緑と普賢岳 地から湧く水蒸気に中の散歩道

 

雲仙名物シロドウダン 橘湾の入り日
雲仙名物シロドウダン 橘湾の入り日