スキーの楽しさ

2014.02.25

 スキーは、スポーツのなかでも、自然を自然のまま相手にして楽しむ最たるものではないか。登山やハイキングを含めて考えれば、その2つが双璧だろうか。素人の趣味としてのスキーでは、勝ち負け、順位、タイム等一切無しでただ楽しむという点でも他のスポーツと異なる。市民マラソンのレースで、順位を気にしている人はごく少数であろうが、自身の前回の記録より良かったか悪かったかはかなり気になることである。スキーにはそれもない。

 では、スキーは初心者でも熟達者でも同じくらい楽しいかというと、決してそんなことはない。他のスポーツでも同じことであるが、上手い方が面白い。スキーでは特にそうである。緩い斜面をこわごわ滑って、すぐ尻餅をつくレベルではあまり楽しくない。そういう人達が「私のスキーは下手の横好きです」等とオツに澄ましていても、心の中は穏やかでない。「今に見ておれ!」と歯ぎしりしているに決まっている。そういう人は上達が早い。

 スキー場に行くと、誰でも晴れて欲しいと願う。これ程矛盾に満ちた、身勝手な願いはない。毎日晴れていたら、その場所が「スキー場」になりっこない。それにも拘らず、「晴れて欲しい」と考える。裏を返せば「他の人が来たときに雪が降って、自分が来たときには晴れて欲しい」ということで、これ以上身勝手なことはない。一番良いのは「夜降って朝晴れる」で、これなら皆ハッピーだが、もちろんそうとばかりはいかない。晴れか雪かは、訪れた人の願いとはまるで関係なく決まるので、どう考えようと他人に迷惑をかけることにはならない。口に出して言っても、その場にいる人は皆同じことを感じているので、喧嘩になる心配もない。
 
 最高のコンディションは、雪は十分、快晴、日中の最高気温が僅かに氷点下、無風。これだと、寒さは全く感じない。雪も融けないので「良質」である。時間としては、前の晩に10 cmくらい積雪があった朝が良い。他人の滑った跡がない斜面を、そろえたスキーのテール部分が触れ合ってカタカタとなる音を聞きながら、滑る。カーブするときに舞い上がる雪煙を楽しみ、方向によっては、斜面に映る自分のフォームを確かめる。体に感じる風がとても心地よい。

 スキーは、エンジンを使わずに、生身で感じる最高のスピードを楽しめる。オリンピックの滑降(ダウンヒル)では時速100キロ程度であろう。素人が上達しても、他の人もいるゲレンデでは精々その1/3程度かもしれない。しかし、同じ人が、自転車や自分の足で走るよりは遥かに速い。単に物理の法則にしたがっているだけ等と野暮なことを言ってはいけない。

 大分前だが、新聞に「シニアスキーでいつまでも青春」という記事があった。我が意を得たり、という感じである。今でも昔の仲間と1年に1回楽しんでいる。休日でもリフトやゴンドラに長い時間並ぶことはなく、その意味では昨年紹介した学生時代(2013.2.18)のスキー場とは隔世の感がある。 

長野県志賀高原のゲレンデと林間コース