吹奏楽団定期演奏会

2013.12.20

 小春日和という感じの11月の土曜日の午後、本学佐世保校の吹奏楽団の定期演奏会を聴いてきた。本学は、2つの県立大学が統合されて2008年に新しい歴史を歩み始めた大学である。もう一方のシーボルト校のキャンパスとは74キロも離れているので、残念ながらクラブ活動も合同でやるわけにはいかない。したがって、「佐世保校吹奏楽団」となる。

定期演奏会のホールは大学構内ではなく、アルカス佐世保というから凄い!といっても、知らない人には何が「凄い!」か、わからない。ギリシャ神話の佐世保版、というわけではない。アルカス佐世保とは、長崎県で1, 2位を競うイベントホールである。本学の入学式はここを使う。「市民の手による市民の為の市民大学」を標榜する「させぼ夢大学」の定期講演会もこのホールを使う。夢大学の最近の講師には、真野響子、二宮清純、千住真理子等々そうそうたる有名人が並ぶ。これで「凄い!」はご理解頂けたものと思う。

さて、肝心の吹奏楽団は、30回記念定期演奏会ということもあってOG, OBも加わり数十人の編成である。女性の方が多いように見えた。その女子学生がフルートやクラリネットだけでなく、トランペットを吹く、ドラムを叩くのだから、これまた凄い!と感じた。こういうと「男女差別だ」と叱られるかもしれないが、金管楽器といえば、思い出すのはルイ・アームストロングやニニ・ロッソのトランペット、谷啓のトロンボーン等だ。ドラムはと言えば、アート・ブレーキーやライオネル・ハンプトン、イヤイヤ、もう一人、「嵐を呼ぶ男」の石原裕次郎がいた。彼らが大汗かきながらやっているのだから、男の楽器という印象を持っていても「男女差別」にはならないだろう。

もう1つ言い訳。中学生のとき、音楽の先生が熱心な方で、生徒達で編成する吹奏楽団を立ち上げた。このとき選ばれたメンバーは、音楽の出来が良い生徒という前に、肺活量が第一とばかり、野球やテニス等運動部の生徒が主力であった。私もテニスをやっていたのであるが、「いかに何でもあまりに音痴」と思われたか、体が小さかったせいか、メンバーに入れてもらえず、残念と思ったことが金管楽器やドラムは男のパートという印象につながっている。

肝心の演奏、これは素晴らしい出来であった。指導者が指揮をした本格的なものは圧倒的な迫力があり、先輩たちも加わったリズミカルなサンバには自然に体が動く。2時間があっという間に過ぎた感じであった。ドラムスの女子学生もときにはバチを持ち替えて調子良く、ライオネル・ハンプトン顔負けである(は言い過ぎか?)。最後の曲では、観客席の2階にも演奏者を配置して、大変効果的であった。イスの片付けや次の舞台の準備まで、演奏者自身がやるあたりも学生の手づくり発表会という印象で好ましい。聴衆は、満員とは言えないが、年配の市民の方が多く、周りの会話を聴いていると楽しんでおられる様子であった。「うちの学生凄いでしょ」と声をかけたくなるような幸せな気持ちになった。ホントは、「うちの学生」という言い方は厳密には間違いである。楽団員の中に教員が一人入っている。聴衆の皆さんは気がつかれただろうか。「あの学生さん、入るまで大分浪人されたのかしら?」ナンテ。いずれにせよ、皆が心を1つにして、最高のパフォーマンスをやろうと力を合わせることは、何事であれ美しく、感動的である。