中秋の名月

2011.09.12

「月々に月見る月は多けれど、月見る月は此の月の月」という歌がある。月が8回あって(月々は2回にカウントする)、8月の月、即ち中秋の名月のことである。「8月」はもちろん陰暦、7、8、9月が「秋」だから「中秋」は8月15日である。陰暦は月の満ち欠けにリンクしているから中秋の名月は「ほぼ」満月となる。現在の歴で言えば、多くの年では9月になるが、10月になることもある。今年は9月12日。今日は、中秋の名月にちなんで一杯サイエンス。

「菜の花や月は東に日は西に」、蕪村の有名な句である。この月は満月か新月か、それとも上弦あるいは下弦でしょうか?西の方に太陽が見えなくなる頃に、月が東から見えてくるということは、太陽と月が互いに地球の反対側に来て、ほぼ直線状に並んでいるということである。この状態では、我々が見る月の全面に太陽の光が当たることになるので、これは満月である。

もちろん、直線と言っても「面」は少しずれるので月の面に太陽光が当たることになる。もし、ホントに一直線に並んだら、地球に遮られて月面に太陽光が当たらない。即ち月蝕である。月蝕は満月のときに限って起こり得る。月面を覆っている黒い影は、地球の影ということになる。

ついでに、日蝕は新月のときにのみ観察される。地球 月 太陽の順に一直線に並ぶと、月に遮られて太陽が見えなくなる。即ち日蝕だ。部分日蝕で太陽の表面上に見える円弧は月の影ということになる。もちろん月と太陽では、大きさは違うが、地球からの距離も大いに違い、ほど良い加減になるわけだ。

古語に「立待ちの月」、「居待ちの月」、「寝待ちの月」という表現がある。日没後すぐに昇る月、チョット待たされる月であり、満月から次第に欠けて下弦の月になっていくことを表している。月の出は少しずつ遅くなるのである。「たちまち」は月と関係なく「すぐに」という意味で日常的に使われている。

地球が太陽の周りを廻る(公転)方向と月が地球の周りを廻る方向は、地球の北極の方向から見ると反時計回りで、同じである。したがって、と言ってもここはかなり難しいが、満月から満月までの日数と月の公転の周期の間には日数に違いがある。その差は約2日である。どちらが長いか図を描いて考えてみて欲しい、すぐにインターネットに頼らずに・・・。答えは次回のこのコーナーで考えてみたい。