「しまの健康実習」学内報告会を開催しました

 「しま」には、少子高齢化、交通の不便さ、経済活動の不利、教育・医療機関の不均衡など人々の生活を取り巻く諸問題が集約されています。一方で、しまという隔離性(海に隔てられている)があるからこそ、もの・システムがそろっていなくても、工夫し、共同し、生み出していく力の大切さを体感することができます。さらに、「便利とは何か」「生活の豊かさとは何か」、それが健康にどのように影響しているのかを考えながら実習を行うことで、学生自らの、人間観、健康観、倫理観を見つめ、看護観を深めることができます。
 看護学科では、島嶼部の多い本県の特性を活かし、4年間の学習の総まとめとして、「しまの健康実習」を行っています。その成果として、学内報告会を平成28年6月30日(水)に本学大講義室で開催しました。

 「しまの健康実習」では、学生が「しま」で一週間の生活を行い、住民の方々の協力、関係機関や担当教員の指導・助言を得ながら実習を進めてきました。
 報告会では、学科長の挨拶のあと、各グループ毎に発表を行いました
 実習テーマは、

  • しまで外来通院しながら透析を受ける人々の暮らし
  • まき網船団で働く上五島で暮らす漁師の健康について
  • 上対馬地区の認知症予防活動の実態~地域活動の活性化に目を向けて~
  • 五島市の高齢者の楽しみ・つながり・健康~五島市地域ミニデイサービスを通して~
  • 壱岐市での子育ての秘訣を探ろう!

など多岐にわたり、いずれも「しま」の特性をふまえた大変興味深いものでした。

 各グループの発表後の全体討議において、実習に参加した学生から

  • 患者さんやその家族の性格などを活かし、その人達の強みを活かして看護をするということが、看護職として大切なことだと感じた。
  • しまでは、不便なこともあるが、その地域に住んでいたいという思いがとても強い。健康指導をする際には、対象者の生活背景、地域の文化を把握する事が大切だと思った。
  • しまでの実習は、長崎県立大学看護学科の強みであると思う。つながりを大切にするしまの人々の気持ちに寄り添った看護が出来るようになりたいと思う。
  • しまでの実習により、看護職としての視野が広がった。今後もこれまで培った看護観を大切にしたい。

などの意見が出されました。

 また、報告会の最後には、ご指導いただいた県や市町の保健師の方々や講義に携わってくださった講師の方からご意見をいただく場面があり、

  • 看護師も保健師も住民の健康を守るという同じ思いがある。看護師として働く際には多職種で連携していければと思う。
  • これだけの思いを持った看護職の仲間が増えると思うと、嬉しく、また、心強く感じた。
  • しまでの問題や課題を肌で感じることが出来、看護職としての視野が広がったのではないかと思う。今回経験したことを、これからの実践に活かしてほしい。

など、大変温かいご助言をいただきました。

 今後も、看護学科では、「しまの健康実習」等を含め、長崎らしさを活かした教育を実施し、生命の尊厳と人権の尊重を基本とし、生活する人々の健康問題の解決と生活の質の向上に向けて保健・医療・福祉を統合した看護ができる看護職、国際的視野をもち、専門職として看護の発展に自立的・創造的に貢献できる看護職の育成を目指します。